高橋是清総理大臣大蔵大臣日銀総裁書簡めくり曽禰達蔵宛肉筆唐津ゆかり 2.26事件

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◆作者：高橋是清◆作品：曽禰達蔵宛七月七日付書簡横物まくり(表装の傷みが激しいため、まくり状態としてお考えください)◆材質：紙本墨書(真筆作品)◆款記：「是清」◆寸法：本紙17.5×80.2cm◆付属品：無し(箱ありません)◆状態：シミ汚れ箇所あり。巻き癖あり。
年次不詳の書簡。内容は住宅の設計に関するものなので、受取人の「曽禰様」は高橋と近しい関係にあった建築家・曽禰達蔵(1853－1937)が想定される。曽禰達蔵は肥前国唐津藩士の家に生まれ、明治維新後に唐津藩が藩校として開いた英語学校・耐恒寮に学んだ。このとき英語教師として招聘され教鞭を執ったのが高橋是清で、高橋が帰京する際に曽禰は同行し、高橋家に寄宿しながら工部省工学寮工学校(のちに工部大学校)でジョサイア・コンドルに師事し建築学を修めた。二・二六事件の舞台となった赤坂表町三丁目の高橋是清邸(江戸東京たてもの園に移築復元)は現在のところ設計者不明であるが、その設計建造に曽禰達蔵が関与していたことを示唆する新出資料となる。
【高橋是清(たかはし・これきよ)】嘉永7年～昭和11年(1854－1936)幕府御用絵師・川村庄右衛門の庶子として江戸に生まれ、生後すぐに仙台藩足軽・高橋覚治の養子となる。横浜のヘボン塾に学び、慶応3年(1867)仙台藩の留学生として渡米。奴隷に売られるなどの辛酸をなめ、翌明治元年(1868)帰国。文部省・農商務省などの官僚として活躍したのち、日本銀行に入行。日露戦争時には副総裁として公債募集による戦費調達に奔走した。大正2年(1913)、第一次山本権兵衛内閣の蔵相に就任。その後、原敬内閣でも蔵相をつとめ、原暗殺による後継内閣の総理大臣に就任。政友会総裁となる。その後、6度にわたり蔵相をつとめ「高橋財政」による恐慌脱出を成功させるが、軍事費抑制をめぐり在任中の昭和11年2月26日、赤坂の私邸において叛乱軍襲撃部隊の凶弾に斃れた(二・二六事件)。子爵。雅号・茜庵/秀幸。
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